top of page
石原和の研究室
宗派越境的宗教史へ!
〈新着情報〉
〈近著〉
石原和・神田秀雄・吉水希枝編『近代如来教と小寺大拙ー研究と史料』(一般社団法人日本電子書籍技術普及協会、2023)
Amazon POD版
「本書では、これまで詳らかにされてこなかった近代如来教の組織的展開を新史料「清水諫見氏旧蔵如来教関係史料」に基づいて明らかにする。これによって私たちは、如来教が明治維新期に仏教的な秩序の〝末端〟に位置づけられることで活動の公的根拠を得たことや、大正期から昭和期の単立教会化への動向を見ることができる。かかる如来教関係者たちの宗教活動存続のためのさまざまな模索を可視化することによって、従来の神道を中心とした秩序を前提とする近代宗教史の再構築を展望する。」
石原和 『「ぞめき」の時空間と如来教 近世後期の救済論的転回』(法藏館、2020)
法藏館商品ページ(本書の書評・メディア紹介をまとめてくださっています。)
「救済論が質的に大転回した1800年頃、民衆宗教の先駆けといわれる如来教が名古屋で誕生する。熱狂とともに信仰にむきあっていたぞめきの時空間を民衆宗教、民間宗教、真宗教義の枠を超えて捉える初の試み。」本書帯より。
第15回 日本思想史学会奨励賞獲得! 詳細・講評 日本思想史学会webページ
〈研究紹介〉
近世~近代の宗教史・思想史を研究しています。民衆宗教、近世仏教の異端騒動や寺社の下におかれた講社・教会を対象として、教団史の枠組を超えた宗教史記述の方法を模索しています。
最近は、学会のバーチャル対応、学術手話通訳付与のお手伝いもしています。
◆課題1 宗派越境的研究による近世後期の宗教パラダイムの解明
-
民衆宗教の思想と展開を、他の宗教や社会の動向を関わらせながら論じていくという宗派越境的な視点から、19世紀の宗教動向のダイナミズム読み解いていくことを課題としています。
-
思想史の視点から近世後期の救済論の転回に注目しています。具体的には、複数の宗派を事例として、救済の獲得方法をめぐる議論に注目し、救済に向けた態度として、「身体」と「心」がどのように位置づけられているかを分析することで、近世後期~近代にかけての救済パラダイムを描こうとしています。
-
具体的な研究対象は、尾張藩名古屋をフィールドとして、民衆宗教(如来教)、近世仏教(浄土真宗の異安心、三業惑乱)、民間信仰(秋葉信仰、金毘羅信仰、作善思想)、民俗(絵解きや祖師伝、寺社縁起、地震観)など。
◆課題2 近代宗教者の活動からみる近世史と近代史の成果の有機的結合
(2020年度より、科研「近世近代移行期における教団未満の宗教者と新宗教をめぐる史的研究」[若手研究、20K12822]の支援有)
-
日本宗教史上の空白である近世近代移行期の宗教教団及び宗教者の活動に注目しています。
-
近世近代移行期の宗教者たちがさまざまな教団、講社、宗教組織を越境しながら活動したことに注目し、流動的な宗教者のあり方、信仰のあり方を明らかにしようとしています。
-
月見里神社と稲荷講社(静岡市清水区)、出口王仁三郎と霊学会を中心に、近代の在地・民間神道家の宗教活動に関する研究を進めています。
-
明治初期の如来教の布教公認活動と宗教活動に関する史料整理・目録化作業・分析に取り組んでいます。とくに、近代法制のもとでの合法的な活動を模索していく過程に注目しています。
-
明治初期の仏堂が民間宗教者の拠点となったことに注目して、新宗教と近代仏教の関連を明らかにしようとしています。
-
これにより、近世近代の民衆宗教史をつないでいくことで、新たな日本宗教史像を提起しようとしています。
◆その他
-
福島・奥会津での調査を踏まえた、近世中後期における『神道五部書』の伝播、『大般若経』の勧進についても研究しています。
-
手話が入る会議運営についても関わっています。
bottom of page