大本事件と大本七十年史編纂事業を素材に、教団内外のストーリーテラーたちが紡ぎ出す、ときに当事者のアイデンティティにもなり、葛藤や反発もうむ、複層的な解釈=「読みの運動」という視点から、大本をめぐる「宗教文化」を論じる本。
近代的なバイアスの除去を図りつつも、いまだ教団史、教祖研究、教義史の延長線上にとどまっている民衆宗教研究に、新たな方法、視点を提示している本として拝読しました。
教団の境界を広げた宗教をめぐる諸動向を論じる研究のあり方に共感しました。本書に学び、研究を進めていきたいと思います。

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