
近藤俊太郎先生の新刊落手いたしました。ありがとうございます。早速拝読させていただきました。
言うまでもなく、親鸞は浄土真宗の祖師に当たるわけですが、近代において教団の枠を越えて、知識人たちの思考を突破する「方法」とされたこと、そしてそこには宗教とマルクス主義という問題が深く関わっていたことが明らかにされています。 勉強不足のため、消化しきれていないところも多くありますが、近代仏教史としても、仏教学、歴史学の史学史としても重要な成果だと思いました。 自分の研究との関連で言えば、①1930年代はじめにおこった反宗教運動の前提となる社会状況(→1920年代から始まる如来教の一派独立運動との同時代性)、②反宗教運動にかかわり、また戦後の親鸞論の形成に大きな役割を果たした服部之総の宗教論(→彼の影響を請けた村上重良が「民衆宗教」研究を拓く。東大宗教学講座の連続性には注目した事があるが、反宗教運動との連続性については考えてこなかった)の二点を考えていく、大きな示唆をえました。近代の宗教が置かれた〈場〉と、自らが立っている研究の〈場〉を捉え直していく参考にさせていただきたいと思います。
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